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カメラ屋さんで働く介護福祉士の備忘録。

【経験談】おばあちゃんの写真、ありませんか?

これは、私が
介護の現場にいたときのこと。

私は、特別養護老人ホーム(いわゆる特養って言われるところ)で
以前働いてました。

病院や、デイサービスと違って、
ご自宅では生活することが困難なレベルの介護が必要な方々が
入居されている施設。

当然、施設から旅立っていかれる方も
大勢いらっしゃいました。


その中でも、すごく印象に残っている
ご家族の方がいます。

普段から、
土日に限らず、時間の余裕があると
面会に来て、入居しているおばあちゃんと
ニコニコお話しされ、
写真を撮ったり、これ気にいると思ってー!!と
可愛らしいクッションなど持ってきたり。

特養に入居されると、
正直面会に来るご家族さんて、少なくなる現実の中
そのご家族さんは違うなぁすごいなぁって
いつも思っていました。

で、そのおばあちゃんが
旅立ってから。

〝おばあちゃんの写真、あるだけでいいので、どんなのでもいいのでもらえませんか?〟

きっと、あのタイミングだと
バタバタ忙しいときだったとは思います。

でも、
〝おばあちゃんの写真が欲しい〟
そう言われ、ユニットの枠を超えて写真を探した記憶があります。

当時、私は
その方のいたユニット所属ではなかったので、最終的に
何枚集まったかはわかりませんが、
それをきっかけに、ちゃんと写真残さないと……って強く思ったのは事実です。


しかし、反対に
〝ありがたいけど……うちにあってもしょうがないので、処分していただけます?〟
と言われてしまい、ショックを受けたこともありました。

個々人の考えではあるし、
写真に対する価値の捉え方は人それぞれではあると思います。

子どもさんの写真は、残してくれる人は大勢いるけど、
歳を重ねるごとに、写真を残してくれる人って
居なくなっていく。

けど、写真は〝その人が生きた証〟〝ここに存在した証〟として
やっぱり残していきたい。

時々、
自分の考えが間違っているのかなぁ〜と思うこともありますが
ブレずにこれはきちんと持っていようと、思っています。

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